「なんとなく不調」を、どこから読むか

外来で、こんな場面はないでしょうか。

「どこが、と言われると困るんですけど、なんとなく調子が悪くて」。検査には大きな異常がない。けれど患者さんは確かにつらそうで、月経のたびに、あるいは季節の変わり目に、決まって不調が強まる。西洋医学的な診断名がつきにくいこうした訴えこそ、で読むと像を結びます。

問題は、その証をどこから確かめるかです。漢方には四診(ししん)という、四つの決まった入り口があります。特別な器械は要りません。すでに先生が毎日やっている診察を、証の軸へ翻訳するだけです。

四つの窓 ― 望・聞・問・切

四つはどれか一つで決めるものではなく、集めた所見を重ねて一点に置くためのものです。望で「顔色が悪い」、問で「月経量が少ない」、切で「腹力が弱い」と揃えば、血虚+虚という座標が確からしくなる、という具合です。

婦人科の問診 ― 何を、なぜ聴くか

婦人科・プライマリ・ケアの問診では、次の項目を証の軸に対応させて聴くと、訴えが座標に翻訳できます。

一つひとつは日常の問診項目です。違うのは、答えを「症状のリスト」ではなく証の軸への手がかりとして並べ直す点です。

四診は座標を確かめる作業

四診は、当てものではありません。望で立てた仮説を、聞・問・切で確かめ、時に修正していく。四つの窓から同じ方向のサインが集まったとき、証という座標がはっきりします。次回はそのうち、婦人科でとりわけ物を言う腹診を、手で瘀血を読むという視点から見ていきます。